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2024/05/19 04:00 |
かわいいあの子
15才弓と7才凛のパラレル。
キャラ崩壊注意。弓が変態です。

 登校する小学生の集団の中にいても人目を引くツインテールの美少女がいる。内面から輝くような笑顔は誰もが見惚れるだろう。
 彼女の名前は遠坂凛。穂群原小学校に通う七歳の少女だ。両親と仲良く暮らして、理由ありで妹は養子に出されている。それでも時々は会って仲良くしてる。
「アーチャー……ストーカーでロリコンはやばいぞ」
 後ろで誰かが何か言っているが、私は決してストーカーではない。遠くから凛を見守っているのだ。
 私の名前はアーチャー。あだ名だが本名は秘密だ。穂群原中学に通う十五歳。弓道部の主将をやっている。
「それは本当だけどな。本名秘密って衛宮士郎という弟と同じ名前が嫌か」
 二人とも養子だから仕方ないことだ。
 ついでに後ろでさっきからうるさいのはランサー。これもあだ名だが、本名は忘れた。私の同級生ってだけで十分な情報だ。
「ひでっ! お前が犯罪者にならないか見張ってやってるのに」
 誰が犯罪者だ。いや、こいつのことより、凛のことだ。私達の出会いを教えてやろう。
「お前がロリコンストーカーになったきっかけか」
 あれはまだ桜が満開な新学期が始まる春の日だった。登校していた時、通りかかった公園で二人の少女がランドセルを背負って、犬と対峙していた。のちにわかったことだが、それは凛と桜という名の姉妹だった。犬は近所でも獰猛と名高い野良犬だった。なんとかならないかと大人でも困っているようなやつだ。小学生には対処などできない。だけど、凛は桜を後ろにかばって、リコーダーを構えていた。その誰にも負けないという意思の強さを感じる目が何よりも美しかった。
 だが、どんなに気概があろうと少女にはどうしようもないことも事実。そこは私が颯爽と助けたよ。
「自分で言うのか。つーか、小学生にヒトメボレって」
 凛と桜は私にお礼を言ってきた。きちんとした挨拶がまたいい。私は名前を聞かれたがただの通りすがりだとしか言わずに去っていった。
 それから、また危険が及ばないか見張っているのだ。
「それでストーカーに……」
 違うと言うのだ、このたわけが。
 ん、あれは誰だ。
「なんだ? アーチャー以上に怪しい奴がいるな」
 私は怪しくない。集団登校する彼女達の後ろでこそこそとついてくる怪しいフードの人物が。背は高いような気がするが、性別はわからん。
 ただの通りすがりにしては物陰に隠れながら、小学生についていっているように見える。
「お前も同じような立場だぞ」
 しかも、タチが悪いことに凛達も気付いているのか、気味悪がっている。
「まあ、お前は完全に気配を隠しているから気付かれていないもんな」
 付添いの保護者と教師も気付いたのか、フードの不審者に近づいている。こんな時、不審者は逆上して暴れやすいからな何かあった時のために私も近づこう。
「まあ、あれが不審者というのは俺も賛成するけどな」
 そうか、これで凛の盾ができたな。
「おい」
 いたいけな少女を守るためだ。ほら見ろ。フードの不審者が慌てた様子で首を横に振って、逃げようとしているぞ。力は弱そうだから逃げだせないようだ。これは出番もないだろう。
「あ」
 ランサーが視線を向けた先から走って来る。金髪で背の高い若い男だ。男は保護者と教師を殴りつけ、フードの男を助けようとしている。
「おい!」
 私も走りだす。逃げようとするフードと男の前に立ちふさがり、拳を振るう。金髪の若い男は多少の武道を心得ているようで、なかなか強かった。
なかなか苦戦を強いられたが、ランサーがフードの方を捕まえてしまうとそっちに気をとられてしまい、私の前で隙を見せた。もちろん、一撃で倒したさ。
「おじさん!」
 駆け寄ってくる凛と桜。中学生におじさんはひどいなと思いながらも迎えようとしたら、二人は私を通り過ぎて、ランサーが捕まえたフードに駆けよって行った。あれ?
 
 よくよく話を聞くとどうやらフードは桜の叔父らしい。金髪は留学生で間桐家に世話になっているらしい。桜が忘れ物をしたから届けようとしたけど、久しぶりの外出に倒れかけていたらしい。あとから追いかけてきた留学生がピンチと思って割って入ったようだ。虚弱体質で入退院を繰り返しているような男が無茶するなと言いたい。
「……不審者じゃなかったな」
 私は不本意ながら謝った。誤解していたのは事実だ。颯爽と助けたつもりだったが、大騒ぎになっただけだ。状況を鑑みて叔父も教師もお咎めなしにしてくれた。金髪の男も互いに謝ることで終了だ。
「あの……」
 仕方ないから登校しようとしたら、凛に声をかけられた。
「誤解だったけど、助けようとしてくれたんですよね。ありがとうございます」
 あの日と同じように笑顔でお礼を言われた。かわいい。
「危険だと思っただけだ。では、気をつけてな」
 私はそれだけ言って去っていった.
 
「姉さん、あの人って……」
「うん、私のストーカー」
「いいんですか? 誰かに言った方が」
「大丈夫よ。あれくらい私の掌で転がせるから問題ないわ」
「……姉さん」
「まあ、しばらくは便利に使わせてもらうわよ」
 凛がにっこりとあかいあくまの笑みを浮かべていたことを、アーチャーは知らないでいた。
           

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2013/05/13 22:58 | Comments(0) | 弓凛

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