忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/05/19 05:35 |
引き分け

ホロウ夜間の小話。だったのに、昼の話になった。もとネタは夜。
弓士です。


港に行くといつもとは少し違った光景が広がっていた。
アーチャーとギルガメッシュ(大)の英霊二人、そして彼らを囲んでいる子供達。ランサーの姿はないが、ここでよく見るメンバーだ。
だが、彼らがしているのはいつもの釣りではなかった。
「勝負! フルハウス!」
「……ワンペア」
ギルガメッシュが自信満々にカードを見せるとアーチャーがため息をついて手札を広げた。勝負はギルガメッシュの勝ち。子供達の歓声が上がる。
彼らはなぜかポーカーをしていた。

こんないい天気の日に外でトランプをしているのかわからない。士郎は首を傾げながらその集団に近づいていった。
「おお、雑種。いい所に来た」
士郎に声をかけてきたギルガメッシュは相当ご機嫌で、対してアーチャーは不機嫌に士郎を無視していた。
「何してるんだよ」
「見てわからんか? ポーカーというやつだ。我が勝つのは当然だがな!」
やはりカード運が必要なポーカーではギルガメッシュが有利なのはわかるが、そもそもなぜ勝負をしている。
「よし、雑種も加わってよいぞ!」
「いや、俺は…・・・」
運がいいのかわからないが、自分の未来形であるアーチャーがこのざまでは勝負しない方が賢明である。これがランサーあたりならまだいい勝負になるかもしれないが、ここにはいない。
「なんだ、我が許すと言っているのだぞ」
「兄ちゃん、やらないのか?」
「遊ばないの?」
ギルガメッシュの横柄な態度はあとが面倒だし、子供達が見つめてくる眼差しを無下にできない。こうしてアーチャーはこんなところで勝負していたのかと気付いてしまった。
「もう昼だし、帰らないといけないから一回だけなら」
妥協案としてそういうとギルガメッシュは仕方ないというように頷いた。

結局なぜポーカーをしているのかは謎だが、士郎は運がない方だとということはわかった。交換を二度してもワンペアにしかならない。
「よし、勝負だ!」
不敵に笑うギルガメッシュに士郎は諦めたようなため息をついた。
「ストレートだ」
「……ワンペア」
「……俺もワンペア」
見せたカードに子供達が笑う。
「さすがは、雑種と贋作者だな。まさか同じ数字でワンペアをそろえるとは」
ギルガメッシュの笑いにアーチャーは眉間にシワを寄せて、士郎を睨みつける。
これはただの偶然なんだから勘弁してほしいと、士郎はため息をついた。

拍手[4回]

PR

2013/10/17 18:14 | Comments(0) | 弓士

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<月見酒 | HOME | マッサージ>>
忍者ブログ[PR]